第1回
ブリーダーに聞く
渡辺和代

ドイツからのペット便り

シェパードの審査委員であり、自らもブリーダーとして犬を数多く育てているフランツ氏に、ドイツでの犬の飼育事情やブリーダ体験を伺った。



フランツ・ぺ一ター・クナウル氏1953年に西ドイツのラインラントファルス生まれ。14歳のときに初めて犬を飼う。16歳で飼育場を始める。18歳からタクシー運転手をしながら、多くのシェパードを育てる。”シェパード犬展覧会’で数多くの賞を受賞。2年前に難関といわれるシェパード犬審査の資格を取得。年に20近い展覧会に出向き、自ら害査員として国外を間わす活量している。



ドイツは他の国に比べて犬が多いように思います。なぜですか。

広大な土地を持っている人なら、番犬として役立ちます。また子どもが独立した一人暮らしの年輩の方が好んでペヅトを飼っています。年齢層をみても、高齢の老人がペットを飼う割合が大きいですね。犬がドイツで普及したもう一つの理由は、一般の賃貸住宅でのペットの飼育が許可されているからです。犬は人と同じように地下鉄や電草、列車にも乗れ、店によってはレストラソやカフェにも出入りできます。犬は飼い主と暮らし、散歩や旅行を通して亙いに生活を楽しむことができるんです。他のぺットに比べて犬は非常に飼い主に忠実なことも人気の一つでしょう。

飼育場を始められたキッカケは。

14歳の時、シェパード犬を飼ったのがキッカケでしょうか。夏休みにアルバイトをして貯めたお金で買ったんです。両親はあまり賛成ではなかったんですが、郊外の一戸建てに住んでいたので、庭に小屋を建てて飼っていました。以来シェバードのとりこになってしまったんです。学校を卒業し、西ベルリソでシェパードを何匹も飼える土地を探していました。中心から離れたツェーレンドルフの旧東西ベルリソの国境付近にこの場所が見つかったという訳です。土地の持ち主に事情を話すと、快く場所を提供してくれました。仕事の合間を見て、一日に6〜8時間はここにに来ます。幸か不幸か、家族がいませんので、こんな道楽ができるのかもしれませんね(笑う)。


ドイツで一番人気のある犬の種類は何ですか。

やはりシェパードです。他の犬以上に知能が発達しており、警察犬や軍用犬として活躍しています。1年に約3万頭ものシェパードが繁殖されているんです。第2位がダックスフソドでシェパードとほぼ同数。それ以外の犬は、それぞれ約4000以下に留まってます。

シェパードは世界各国にいますが、とくに人気が高い国は?

フィリピソやアメリカ、カナダなどでしょうか。また、私は「シェパード犬の審査員」ですので国外を間わずたくさんの人と交流があります。そんなことから、ファックスや電話、手紙などで注文を受けることがあります。数年前には、ホテルのフロントから電話があり、カナダから来た宿泊客がどうしてもシェパード犬が欲しいとの連絡を受けました。警察犬や軍用犬として働くシェパード犬を見て欲しくなったようです。

ドイツでは犬税があると聞きましたが。

ベルリソの犬税は1年で180マルク(約1万2000円)。
売った時に犬の種類と年齢を税務署に届げ、そこから飼い主に犬税の請求がいくんです。飼育費用は犬の大きさにもよりますが、1匹に税金やエサ代などの諸経費を加えると、1ヶ月200マルク(1万3000円)ぐらいでしょうか。

具体的な飼育状況についてお聞きしますが、一般の飼い主は犬にどんな食べ物を与えているのですか。

料理を作る手間もいらないからか、スーパーなどで買ったペットフードを与えています。確かに栄養価は高いのですが、与え過ぎると皮膚病になる可能性があります。いろいろと試してみた結果、ライスや豆の煮たものをエサに混ぜてやると、たいていの皮膚病も治りますよ

病気の原因は他にありますか。

食べ物以外に、工場の煙や車から出る排気ガスがもとで、皮膚病やアレルギーになることがあります。犬は人間と同じで、空気のいい所で療養させなければなりませんね。

食事の回数を教えてください。

1日に1回の飼い主もいますが、私は朝夕に2回与えています。産まれたばかりだと、1日に4,5回食事を与えるのが最適でしょう。

犬の散券ほどれくらい必要?

少なくても1日に3,4回ぐらい。2,3時間に分けて散歩させなげればなりません、飼い主に時間がなければ、犬を飼う資格はありませんね。

ペットを飼っていて、どんなトラブルがありますか。

人間と同じで、歩き出したら厳しく躾ければなりません。
歩以外では排泄をさせない。家では吠えない、ソファには座ってはいげないなどです。ドイツでは特別にペットの躾をする施設もあり、訓練士にお願いする飼い主も増えています。私としては、子犬の時期から撲をさせるのも、飼い主の楽しみの一つと思っています。

動物に関する法律はどうなっていますか。

条文では人は動物に対して暴力をふるったり、虐待してはいげないとうたっています。隣人がペット虐待の現場を見て、警察に通報し、飼い主が罰金を払うというケースもドイツではあります。

避妊や去勢についてはどうですか。

多くの飼い主がペットに避妊や去勢をしていると思いますが、もちろん放っておく飼い主もいるでしょう。ペットがたくさんの子どもを産んだ時は、新聞や雑誌に広告を出したり、友人を通して欲しい人にあげることもあります、その他に、「動物の家」という場所があり、ペットを斡旋してくれます。ここはは飼い主がなんらかの事情で飼えなくなったペットを引き取る所。逆にペットの欲しい人は、そこで犬をもらい受げることもできます。ドイツではペットショッブで犬を購入することに抵抗があるようで、多くの人がここから犬をもらい受げて飼っています。

室にはたくさんのトロフィーがありますが、どん賞ですか。

すべて「シェパード犬の展示含のもので、美しさを競った賞です。ドイツ国内では、このような大小の展示会が週に4,5回ほどあるんです。中でも「ドイツシェパード犬優勝杯」には全国から2200頭近い犬が集まり、優勝を競い合います。今いる雄の犬は大小25回の展示会に参加して、12回もチャンピオンになっています。毎日、犬とともに8〜10キロほど走り、トレーニソグを重ねています。展示会には年に20回ほど行きます、審杳員としては、国外を間わず5から10回ほど赴きます。

今、何頭の犬を育てていますか。

雄が1匹に、雌が4匹で、産まれたばかりの犬が8匹います。通常は4匹飼い、他は維梼費もかかりますので売買しています。1年で20匹ぐらい売りますね。逆にいい犬を見れば、購入することもあるんです。いい商売とはいえませんね。お金のかかるホビーです(笑)。

気づいたのですが、1頭ごとに小屋に入れて飼うのには理由があるんですか?

犬の祖先は狼なんです、群れとなって行動する習怪があり、強い犬がリーダーとなり、他の犬を従わせます。同じ小屋に犬たちが一緒に生活すると、成長期の犬が自分の持っている個性を発揮できないまま大人になってしまう可能性があるからです。個別に生活させることで、同じ母親から生まれた兄弟でも、成長の仕方がまちまちで、それを見ているだけでとても楽しいです。毎目が驚きと発見の目々なんですよ。